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第三章・28
「もう一度、付き合わないか。俺と」
そう来ると思った。
蒼生は、あまりに事が思い通りに運ぶので、おかしくなった。
「捨てた玩具が、惜しくなりましたか?」
挑むような蒼生の言葉に、稀一は少々面食らった。
「よりを戻してもいいけど、条件があります」
「何だか今夜は、蒼生らしくないな」
そうですか?
蒼生は、飄々と言ってのけた。
「これが、僕です。椿 蒼生と言う人間ですよ。それでも良ければ、またお付き合いしましょう」
「……条件、とは?」
従順なΩとばかり思っていた蒼生が、まるで高潔なαのように揺らしてくる。
稀一は、そんな姿に興味を持った。
一層、蒼生のことをまた欲しくなった。
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