104 / 107
第三章・33
ベッドの上では、稀一も素肌を晒した。
二人で抱き合い、肌を擦り合わせた。
「蒼生、とても温かいな」
「これが人肌だよ。稀一さん」
とても素敵だ、と稀一ははしゃぐ子どものように蒼生の後ろに手を回した。
悪戯っ子のように、指を忍ばせた。
「熱い……」
蒼生の後膣は、稀一の指を飲み込んだ。
その熱い体温を、伝えて来た。
「指、初めて入れてくれたね」
「とても新鮮だよ」
ローションを絡め、指の本数を増やしてゆく。
その都度、蒼生の表情や声色が変化していく。
「これは……、興奮する」
前戯の悦びを、稀一は初めて味わっていた。
ともだちにシェアしよう!