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第三章・33

 ベッドの上では、稀一も素肌を晒した。  二人で抱き合い、肌を擦り合わせた。 「蒼生、とても温かいな」 「これが人肌だよ。稀一さん」  とても素敵だ、と稀一ははしゃぐ子どものように蒼生の後ろに手を回した。  悪戯っ子のように、指を忍ばせた。 「熱い……」  蒼生の後膣は、稀一の指を飲み込んだ。  その熱い体温を、伝えて来た。 「指、初めて入れてくれたね」 「とても新鮮だよ」  ローションを絡め、指の本数を増やしてゆく。  その都度、蒼生の表情や声色が変化していく。 「これは……、興奮する」  前戯の悦びを、稀一は初めて味わっていた。

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