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第7話 ※R18
オーロ君がついて来ようとしたけど、書類の整理を押し付けて先に帰ってきた。
オンナには色々準備があるのを知らないのね。
そんなことを丸っと棚に上げて
「遅い」
ってアタシん家のドアを開けたオーロ君に言い放ったら真っ赤な顔して固まっていたわ。
まあフルメイクして髪もそれなりにセットしてハイカットのデコルテが見える黒ワンピースで出迎えてやったからね。
「待たせたらぶっ飛ばすって言ったわよね」
「シルキーさんから触れてもらえるなんて・・・!」
だからなんでそうなるのよ!
「綺麗です、すごく」
オーロ君てば何泣きそうになってんのよ。まだ家の中に入ってすらいないのに。
「ホントに、いいんですか?」
アタシの顔に伸ばされる両手がすごく震えている。頬を包み込んで、しばらくジッと目を覗き込んできた。その顔がすっごく真剣で、でもどこか怖がっている子どもみたいで、本気なんだなってちょっと嬉しくなっちゃったけど、今だけなのよね、きっと。何年かしたら他のかわいい女の子と結婚していくんでしょうね。
眉を下げてふっと微笑めばキスしてきたわ。
肯定の返事をした訳じゃないんだけど。その思い込みで突っ走るクセなんとかならないのかしらね。
長い長いキスが長い。
ベッドに押し倒されてからも、身体のラインを確かめるみたいに手を這わせながら唇を重ねるのをやめない。酸欠になるわ!
「オーロく・・・んっ、苦し」
喋ってる間くらいやめなさいっての。
「嫌です。こんなことさせてもらえるの、今日で最後になるかもしれませんし」
墓穴掘ったああああ!
やっぱり辞めておけばよかったかしら。
頭の奥がツンとして、クラクラしてきたころにようやく解放された。ホントに酸欠になっちゃったじゃないのよ!
オーロ君は今度は顔とか首とかデコルテなんかにチュッチュしてるわ。唇タラコにならないのかしら。さんざんまさぐったからか女物の服でもスムーズに脱がされたわ。
「うわ・・・」
オーロ君は感嘆の声を上げてた。
アタシが普段どれだけ身体を磨いてると思ってんのよ。華奢な体つきはもとからだけど、ウエストは絞ってくびれ作ってるし繁忙期じゃなきゃスキンケアもがっつりやってるわ。
オーロ君は綺麗だって言いながら唇や手や頬を寄せてくる。もうそれこそ旋毛から爪先まで。
「全部欲しいんです」
オーロ君はアタシの男性の部分に吸い付きながら言ったわ。もう何回イッたかなんて数えちゃいないしそれどころじゃない。
「だからってそこばっか・・・ぅあ、も、ヤ、あっ、アッ・・・」
身体が勝手に震えて、またはしたない液体をオーロ君の口の中に吐き出すけど、もうほとんど出てきやしなかった。
オーロ君が全部搾り取っていったから。
今度は後ろに指を入れはじめたわよ。
「えぇ・・・まだヤるのぉ」
「当たり前じゃないですか」
オーロ君はぎこちない手つきで、でも丁寧に解していった。
「ひゃうっ」
「あ、痛かったですか」
首を横に振れば、嬉々としてソコばっかり触ってきたわ。ホントしつこい男ね。
「う・・・もういいから」
足がガクガクしてきちゃったじゃないのよ。頭の奥とお腹の底が痺れてくる。
また目の前で白い光が弾けて声を上げながら身体を痙攣させてた。アタシの中心はもう雫を飛ばして反り立つだけだった。それでもオーロ君の指はナカを嬲るのをやめない。
「も、イッたから」
「イッたから、何?」
オーロ君はニヤっと笑ってた。
「まだ足りないんですか?」
意地悪な笑みを浮かべて髪を撫でてきた。そこから背中にかけてゾクゾクっとして、首をブンブン横に振ることしかできなかった。
「じゃあどうして欲しいんですか」
調子に乗ってんじゃないわよこのおブス。
でもイキすぎて頭はガンガンするし、オーロ君は攻めるのをやめないし、解放されたくて
「・・・挿れて」
っておねだりしちゃったわよ。
オーロ君は目を見開いて、急に息を乱しながら怒張を押し付けてきた。それでもゆっくり、小刻みに動いて力任せに挿れようとするのを我慢してる。全部受け入れるとギュッと抱きしめてきた。
「・・・好きです」
囁くと耳を甘噛みしてゆるゆると腰を揺らし始めた。
重なる頬が濡れて銀の髪が湿ってくる。
ヤダ泣いてんのオーロ君。バカねえ、たかがセックスなのに。
首に腕を回して抱きつけば、一つだけ嗚咽が漏れて腰の動きが早くなった。
でもすぐ止まってしまって、またギュッとしてくる。
「どうしたの」
「イッたら終わっちゃうじゃないですか」
ずっとこうしていたいんです、って抱きしめてくる。なんかいじらしくなっちゃって好きって言いそうになっちゃったわ。まあ気分が盛り上がってそう思ってるだけなんでしょうけど。
代わりにキスをして、偉そうに言ってやったわ。
「レディを待たせたらぶっ飛ばすって言ったわよね」
オーロ君は泣いてるみたいな笑っているみたいな表情を作って、肩に顔を埋めて腰を激しく打ち付けてきた。好きって何度も言いながら。
イイところを掠められてまた目の前がチカチカしてくる。好きって言葉とキモチイイのが揺さぶられる度に頭の中で攪拌されて思考がグズグズになってきて、思わず
「・・・好き」
って言ってた。
「・・・反則だろそれ」
オーロ君は苦しげに呟いて、グッと奥まで抉るとアタシにしがみついて戦慄いた。
全身の力が抜けて、身体がベッドに沈んでいった。しばらく息をする音だけが響いていたわ。
「好きっていいましたよね?!」
まだ荒く息をしながらオーロ君はガバッと顔を上げる。
「言ってない」
顔を背けてやったら、顎クイで正面を向かせられたわ。
「じゃあ言ってください」
「イヤ。睦言を本気にするなんて馬鹿じゃないの?」
「・・・もう一回しないと言わないってことですか?」
「なんでよ!よくもまあそんな」
キスされた。
ていうかまた挿ってくるんだけど。若さね。ムカつくわ。
「っあ・・・んっ・・・」
質量を増したソレに性急に押し広げられて、足の指が丸まる。
「やっ・・・もぅ」
「言うまでやめません」
結局根を上げて言わされたわよ。
言ったら言ったで「かわいい」って盛り上がって最後までしちゃうし。
本当にしつこい男だこと。
嫌だっつってんのに終わった後の下の世話までさせちゃって屈辱だわ。
帰らせようとしたけど首を傾げてた。スッピンを見せられるわけないでしょ。察しなさいよ。
仕事中もメイクしてないけどそれはそれ、これはこれよ。だけどオーロ君の腕の中にいるうちにあったかくなってきて身体も目蓋も重くなってきた。これはマズイわね、この心地よさって、好きって勘違いしそうになるの。
「好きですよ」
オーロ君は優しく微笑みながらアタシの髪を梳いていた。
「・・・責任は、ちゃんと取りますから」
もうクタクタで抵抗する気にもなれなくて、いつしか微睡に意識が溶けていった。
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