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第36話

 ラブホテルはこの前と同じところにした。今度の部屋は白、白、白で壁からベッドまで白かった。ダリが描いたような絵が飾られている。 「素面だと恥ずかしいな」  誠也はそう言って白いソファーの背にもたれ掛かる。 「ああ、俺は飲むぞ。ハイボールにするかな」  春陽くんはそう言ってベッドの枕元にある電話を手に取った。 「ハイボール2つ下さい」 「ちょっと待てよ、俺は一応だけど仕事中だよ」 「俺が2つ飲むんだ。1杯くらいじゃ酔わねえだろう」  春陽くんはそう言ってはにかむ。  インターホンが鳴ってハイボールが届く。春陽くんは「昼間飲む酒は上手いな」と言って美味しそうにアルコールを胃に流し入れた。 「春陽くん、俺、先に風呂入って来る」 「はあ?今日も一緒に入ろうと思ってたのに」  その言葉を聞いただけで誠也は勃ちそうになった。 「じゃあ、そうするか?でもさ、飲んでねえと手持ちぶたさなんだよ」 「じゃあ、脱げよ」 「ダメだ。洗わないと汚い」  誠也は春陽くんの頭を優しく撫でる。春陽くんは嬉しそうにした。 「風呂入るか?誠也くん、仕事中だろう、シャワーだけ浴びよう」 「そうだな。あまりゆっくりは出来ない」  誠也はスーツを脱いでハンガーに掛けた。ボクサーパンツだけになって洗面所に行くと春陽くんが後ろから抱きついて来て唇を胸に這わせた。 「ダメだって、まだ汚いよ」 「汗の匂いが好きなんだ」  春陽くんは乳首を口に含んで転がす。誠也は吐息を漏らした。

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