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第49話
1時間はあっという間に過ぎて延長をした。男の子は順番に変わったがみんないい子ばかりだった。田舎のホストクラブも中々いいなと感心して水割りを飲む。ウイスキーだったけど結構すんなりと胃に入った。安いお酒じゃないんだろう。
「ボトル入れるか」
誠也がそう言うと春陽くんは「ヘネシー?」と訊いた。
「うん、飲みなれたお酒にしよう」
誠也はいい気分だ。今日ここに来て良かったなと心の底から思った。ウエイターにボトルを入れることを言うと「有難う御座います」とペコペコと頭を下げる。
2時間くらい経ったら女の子のお客さんが増えた。垢ぬけた子が多い。隣のボックス席には10代なんじゃないかと思うほど若い子が2人座った。ホストとの話が耳に入ってくる。
「ねえ、隣の2人カッコいい。お客さんなの?」
「そう、今日初めて来てくれたんだ」
「ざんねーん、ホストだったら指名してた」
誠也はそれを聞いて苦笑した。春陽くんも困ったような顔をして笑っている。
「ここで働いてもいいな」
春陽くんがぽつりと言った。
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