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第50話

 3時間ほどホストクラブに居て誠也がお金を払った。春陽くんは「俺が来たかったんだから俺が払う」と言ったが、仕事を休ませたしそれは悪い気がしたので断った。 「わりいな」 「いいよ、最近飲んでないし、春陽くんがこんな田舎に来てくれるだけでも有難い」  誠也はそう言って、春陽くんを抱きしめた。通りすがりの人がビックリしたような表情をする。男同士で抱き合ってるんだから当然だろう。通りは酔っ払いみたいな人が多かったから冷やかされないだけでもよかった。 「誠也くん、人が見てる」 「ああ、悪かった、嬉しかったから、ついな」  誠也はそう言うと春陽くんの肩を押して身体を離した。 「ビジネスホテルに来る?」 「いや、今日はお母さんが待ってるんだ。帰る。それにビジネスホテルなんかに行ったら歯止めが利かなくなる」 「そう……」 「またランチでもしよう。時間をとるよ」

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