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第61話

「早紀ちゃん、ゴメン、急用が出来た」  誠也はLINEを打って、春陽くんに花見が終ったら行く事を言った。 「俺も花見してえな」 「じゃあ、ダークエンジェルが終ったら上野に移動して来いよ。夜桜が綺麗だぞ」 「分かった、1時には着くかな」  誠也はにっこり笑ってからビールを飲んだ。理沙ちゃんが不思議そう顔をした。 「そういえば誠也さんの家、お父さん元気になったんでしたね」 「ああ、まだ入院中だが、段々良くなってる」  誠也は頬をあげて答えた。  10時まで花見をしてから会社のみんなは帰っていった。まだ春陽くんの仕事が終わるまで時間がある。一旦駅の近くに行ってカフェで休むか。誠也はそう思って、道を横断した。カフェは混んでいて、カウンター席が1つ空いているだけだった。誠也はトレーの上にカフェラテを乗せて席に座った。まだ2時間ばかりある。小説の続きでも読もうとショルダーバッグからハードカバーの小説を出した。

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