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第62話

 12時に春陽くんからLINEがあった。 「店、終わったよ。上野に行くから待っててくれ」 「ああ、駅の近くのDってカフェにいる。急がなくていいから気を付けて来い」  誠也は小説の続きを読んで春陽くんを待った。1時間くらい経っただろうか。春陽くんが笑みを浮かべて後ろに立っていた。 「ビックリした。着いたんだったら連絡くれよ」 「ああ、でもここに入ったら直ぐに誠也くんが分かったんだよ」  誠也は立ち上がって外に出た。店は混み合っていて2人分の席が無かったからだ。 「花見してからさ、2丁目に行くか?」  誠也はだいぶ飲んでいたけど春陽くんのためを考えて訊いてみた。 「2丁目は今度にしよう。俺、またラブホテル行きてえ」  春陽くんは恥ずかしそうに言う。 「そうか?花見しながら抱いてやってもいいんだぞ」 「捕まるよ」  誠也は「ハハハ」と笑う。

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