20 / 35
8-3
そして俺はいま、ラブホテルのいすに裸で縛りつけられている。
座面にうつ伏せるような格好で、手足をまとめていすの脚に縛られているから、強制的に大きく足を開かされている状態だ。
目隠しもされて、お尻には振動する何かを挿れられていて……全然身動きが取れない。
安全な場所に隠してくれるという言葉に、だまされた。
「っ離してください、ん、ンッんぁ」
身をよじってみるけど、紐が体に食い込むだけで、全然意味がない。
「そう、上手だね」
男性の声と、ぴちゃぴちゃとなめる音がしていて、多分吉野くんはフェラチオをさせられている。
「もっと根本まで、こうだよ……っ」
男性はハァハァと荒く息をしていて、でも吉野くんは何も言わないから、声が出ないんだと思う。
でもそんなことはおかまいなしとばかりに、男性は好き勝手言っている。
「あー……気持ちいいよ」
ゴホゴホと、吉野くんがむせている。
他方、俺もだんだん変になっていた。
「これ、取って、ぁああッ」
お腹の中でぶるぶる震えているものに、侵食されていく感じ。
「ん……んぁっ、はぁ、ぁあっ、やだ、あぁ……ッ」
ため息とともに、ドサッと音がした。
男性がこちらに歩いてくる気配がする。
「気持ちいいのは分かるけど、順番は守らないと。あとでたっぷりしてあげるから、いまはおとなしくしててね。おりこうにできたらごほうびをあげるよ」
そう言って、お尻に突っ込んだもののボタンをカチカチと操作した。
「ひぁああっ……ッ」
振動が強くなって、ぐりぐりと中がかき回される。
「ぁあっ、や、ん、んんっ……っ」
何かの布を口に突っ込まれた。
苦しい。くぐもった声しか出ない。
「じゃあ、続きをしようね」
男性が猫なで声で呼びかけると、また、ぴちゃぴちゃという音がし始めた。
「んはぁ……君の目はゾクゾクするよ。艶っぽくて。ほら、口の中犯されて気持ちいいかい?」
吉野くん、何をさせられているんだろう。
道具でいじめられたり、無理やり奥までくわえさせられたり、酷い目に遭っていないだろうか。
と心配しつつ、俺は俺で、強くされた振動に耐えるので必死だ。
「んん、んっ、んんッ」
心は嫌悪感でいっぱいなのに、体がドクドクと熱くなっていく。
「んーッ、ん、ンンッ」
自然と体が跳ねるたびに、座面に押し付けられた乳首が擦れて、それがまた別の刺激になる。
目隠しされた目元に、じんわり涙が溜まっていくのが分かる。
拒否しようとしても、体は敏感に反応していて、ビクッビクッと震えるたびに、いすがガタガタと鳴る。
「勝手にイッちゃだめだよ」
男性が、やや大きな声でこちらに向かって言った。
「ん、んんっ、んッ」
ビクビクと跳ねる体。達してしまいそう。
男性はベッドから降りて、何やら探っているようだ。
やがて俺の前に来て、ハァハァと下品な息遣いのまま言った。
「我慢できないの? 可愛いね。エッチな君にはお仕置きが必要かな」
ペニスに、振動するものを固定される。
「んんんんっ……!……ッ!」
ちょっとイッてしまった。
「あらら、イッちゃったの。可愛いけどもう少しそのままでいてね」
「んんっ、んーッ」
中途半端に達した体は、固定された刺激に耐えられない。
「んんっ……!んーッ!んんっ!……っ!……ッ」
みっともなく吐精する。
縛られて痛いと思っていた紐の食い込みまで感じてしまって、頭がおかしくなりそう。
イッたばかりの体の中も外も休むことなくいじくられて、意識が朦朧としてきた。
「あれ、そんなに気持ちいい? 淫乱だねえ、許可なく勝手に気持ち良くなって。可愛い顔してド変態さんか」
酷いことを言われているのに、射精が止まらない。
吐き出したと思ったらまた続いていて、強制的に何度もイかされて、体はずるずると力が抜けているのに、またイッてビクビクする。
痙攣 しながら、はしたない精液で床をドロドロに汚しているのが分かる。
本当にもう無理、地獄だ。
座面にぐにっと潰されている乳首がじんじんする。
と、そこで、何かの波がどっと押し寄せた。
「ん、んんっんン……ッ!」
ブシャアッと音がして、射精とは違う、何かが出た。
「おーおーおー、派手に潮吹いちゃったねえ」
「んー、ン、ん、ん……ん、……」
「ハァハァ、僕ももうイクよ。濃いザーメン全部飲んでね」
遠くに、許せない言葉が聞こえる。
でももう力も入らないし意識も飛びそうで……むり、ごめん……
「オラァ、クソオヤジ!」
ドアを叩く音が聞こえた。
ガンッと一際大きな音がしたと思ったら、聞き覚えのある大声と、ドタバタという足音。
複数の怒声とともになだれこんでくる。
ふいにお尻のものが引き抜かれて、ペニスの振動からも解放される。
「慧、しっかりして」
紐が解かれて完全に脱力すると、体を抱えられた。
そっか……、松田くんだ。
「死ねコラァッ!」
澤村くんが声を荒げて、なんか、もうよく分かんない。
吉野くん、よしのくん……。
ともだちにシェアしよう!