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②
ザーと水が流れていく音がする。シャワー音だ。つまりはホテルだ。人生初のラブホだ。
「うわぁぁぁぁ!」
シャワーの音で掻き消されることを期待して、大声を出した。そもそも、いいのか。初体験して。ここで。そもそも童貞卒業してないぞ。それなのに新しい門を叩いていいのか?
でも、ここまで来たらやめられない。スマホで調べたエチケット。そこに書かれていた洗浄とやら。センジョウ、うむ正しく戦場だった。
因みにだが、ランカさんにいろいろとこの世界のことを教えられていた俺は、残念ながら男同士の情事というもの知っている。興味本位に後ろの穴を触ったこともある。だから、無知ではない‼︎
いざ、本当の戦場へ‼︎
あれ?これって服着て出て行った方がいいのかな?すっぽんぽんの方がいいのかな?それともタオル巻いて出る?どうせ、脱がされるなら服着なくてよくね?
うーん…。
「皐月君?大丈夫?」
「うはぁ‼︎あっ、翔也さん?」
えーい‼︎聞いてしまえ‼︎
「あ、あの、俺服着た方がいい?着ない方がいい?」
「ん?ふふっ、着てきていいよ。」
置いてあったホテルの服に着替える。なるほど、ホテルのパジャマがガウン型なのは脱がせやすさを追求したためか‼︎
ぱっぱっと着替えて、ドアを開ける。同じくガウン型のパジャマを着た翔也さんの右手にはワインが握られている。なんか、大人の色気がすごい。
「ワイン、飲む?」
何も考えずに頷いた。
「お酒、強い方?」
「普通かな。さっきあんまり飲まなかったから今は割りかし酔ってない。」
「そうか、ならちょうど良かった。少し、肩の力を抜いてもらおうと思ってね。」
「はい、これ。」
渡されたワインを片手で持つ。あんまりワイン飲んだことないんだよな。誕生日パーティーしてくれた奴が持ってきたのを飲んだくらいだ。確か…。
あっ、でもこれ凄い飲みやすい。こんなワインあるんだ?絶対に高いやつ。あれ?いつ買ったんだろう。
「ランカさんに貰ったんだ、さっき。俺のお気に入り。」
ニコッて笑われる。思考が読まれている…。でも、さっきランカさんのBARから出るときに、ランカさんと話していたのはこれのことだったのか。
「それで、肩の力は抜けた?俺はね、無理強いはしたくないんだ。皐月君には気持ち良くなってほしい。それで、あわよくば君を恋人にしたい。」
「なんで俺?」
「実は一目惚れなんて嘘なんだ。」
まぁ、そうだろうな…。
「ふふ、まぁ、一目惚れって言っても間違いでは無い気もするけど。ランカさんのとこで初めて君をみた時、君は今日みたいにランカさんに愚痴を言っていたよ。俺は君の愚痴を酒のつまみみたいな聞いていたんだ。」
なんてこった。この人、性格悪くないか?人の愚痴をつまみになんて…。いや、そもそも愚痴が酒のつまみなんて酒が不味くなりそう。
「君はいつもランカさんに、好きな人の話をしていた。なんで好きになったのか、どこで好きになったのか。なんてね。それなのに立夏に取られたって後半はいつも言う。俺は、好きな人の話をする君の姿に恋をしたんだ。一生懸命話す君が可愛らしかった。その立夏という少年に取られたと話す君がイジらしかった。」
なんで、それで好きになるんだ。意味わからん。
「俺も、君に一生懸命好きって言ってもらいたくなったんだよ。愛らしい君の口から好きだってね。俺は立夏君を好きになったりしない。それは絶対にだ。君の好きだった彼女たちのようにはならないよ。ね?」
「ん…、今はまだよく分かんない。だから…気持ち良くなったら考える…。」
……………
「皐月君、挿れるよ?」
「うん。」
「少し痛いかもしれない。」
「大丈夫だって。」
「そっか。ごめんね。安心して気持ち良くなって。」
ズポリ…だか、ヌポリだかそんな音がして、太くて大きいのが入ってきた。
痛い、避ける、気持ち良くない‼︎
暴れる俺の顎を抑えて、唇と唇を合わせる。口内で暴れ回る舌が絡まりあって、意識はそっちに持ってかれた。口内は敏感だって誰かが言ってた。本当にその通りだ。
萎えてた俺の息子も、あらあら不思議。登り上がってきた。
「ねぇ、動いていい?」
「ゔぅぅ…ぅん。」
ひあっ、とか、あんっ、とかふざけてAVの真似事してたけど、それが逆に癖になってだんだん気持ち良くなってきた終盤あたりは本当にあんあん鳴かされた。
最後の、最後。イカされた時には
「ひあぁぁぁぁぁぁぁ‼︎」
とよくあるエロ本みたいに喘いでしまった。
俺の初めてはこうして奪われて行った。本音で言うなら、最初は痛かったけど、まぁまぁ気持ち良かった。
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