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⑤
どうしてこうなった…。
そうそれは、たぶんだけど、俺が翔也さんに抱かれたのを立夏にばらしたからだと思われる。
たぶん…たぶん?
居酒屋での出来事。
男に抱かれたと言葉を放った時、立夏は少しだけあり得ない、そう言いたげな目を向けてきた。だけど、山田が戻ってきてからは普通に笑っていた。山田に俺のセックス相手が男だということも黙っていた。
だから、その時の俺は、ああさすが立夏。顔も性格もイケメンと言われるだけある。きっと、男との情事を幼馴染がしたことに動揺はしたが、受け入れてくれたのだと。そう思っていた。
その後は山田と立夏と共に酒を楽しんでいた。いつもよりペースの速い立夏に合わせようと、俺も酒を飲みまくる。結果、普段の倍以上飲んでしまった俺は見事に潰れた。だから、その後の記憶はない。
立夏が俺を背負ってくれたのは確かだと思う。その温もりを覚えている。
んで、俺は目が覚めたら何故かホテルにいた。
あと、俺の上には立夏が覆いかぶさっていた。
「へっ?立夏?」
「目、覚めたか?相変わらず、酒に弱いな。」
「弱くないよ。お前が強いだけだろ。」
「ふーん。」
「で、立夏さん。なんで俺の上にのっているんですか?」
どうにも頭は覚醒しているが身体は怠い。まぁ、酒を飲んだ後だ。仕方はないだろうけど…。
「皐月、俺はお前には優しくしてるつもりだったよ。確かに、お前の好きな奴はみんな俺に告白してきた。でも、一度だって俺は望んではいなかった。皐月が女と付き合うのは仕方ないと思ってたから。」
「立夏…?」
「皐月が男に抱かれたなんて言葉聞いて本当に、本当に殺意が湧いたよ。俺は、お前が彼女を求めているからだから我慢してきたのに、よりにもよって男?なぁ、ふざけんなよ。それなら、それなら俺が今まで我慢してきたのは一体なんだったんだよ。」
我慢ってなんだ?我慢って…。あれ?もしかして、立夏は俺のこと…。
「なぁ、皐月。いいこと教えてやるよ。お前の好きな奴が俺に取られるから、男にしようって思ったんだろ?でもな、世の中にはリバって言葉があんだよ。」
リバ…?何それ。聞いたことない。
「簡単に言えば、抱く側が抱かれる側になるってことだ。その可能性がある限り、その翔也ってやつは俺を好きになる可能性は少なからずあるんだぞ。」
抱く側が抱かれる側に?翔也さんが、抱かれる側。
…想像つかない‼︎
でも、そうか。そんな可能性がこの世の中には秘めていたのか。
じゃあ、俺が男に抱かれた意味は…。
「皐月、俺にしなよ。」
「…ん。」
俺、一生恋人できないの嫌だ。特に冬の季節になると、人肌が寂しくなる。誰でもいいから抱きしめて欲しくなるし、抱きしめたくなる。
それに、孤独は嫌いだ。それなら、イケメンの幼馴染に頭下げて付き合ってもらった方が俺も幸せになれる気がする。
立夏が俺の服をめくる。乳首をコリコリとつねられるのに反応して腰が浮いた。俺、俺やばいかもしれない。なんか、なんかいけない道に突き進んでる気がする…。
あれ?いけない道…。ん?なんか忘れてる気が…。なんだっけ?
「あっ‼︎思い出した‼︎」
「えっ…皐月…?」
「立夏ちょっと離れて。」
「えっ…。」
立夏が青白くなるのを放置して、洗面所に行く。エチケットしてなかった‼︎これじゃあ、やばい‼︎
ドタバタガッシャンと、音を立てて、エチケットを済ませる。恥ずかしいから歌を歌いながら、おトイレをした。
「よしっ‼︎って立夏?どうしたの?」
エチケットを済ました俺が寝室に戻ると、立夏が半ベソかいていた。体育座りでキノコを生やしている。
「皐月?なんで、いきなり…。」
「ネコにはエチケットを用意しなきゃいけないの‼︎」
「そっか…。皐月は初めてじゃないもんな。チッ、余計腹立つ。」
「立夏は俺が他の人とセックスするの嫌なの?」
「嫌に決まってるだろ‼︎俺は、ずっとお前が好きだったんだよ。愛してる。だから、他の奴のところになんか行くなよ。」
なんだ…恥ずかしい。でも、ここまで愛して貰えると、なんだか嬉しい。これ、恋かな?でも、今までの女の子たち比べてなんか違う気もするし?
「皐月…。もう、我慢できない。」
考える余裕は与えられなかった。唇と唇が重なり合い、ぬるりと舌が口内に侵入してくる。それと同時に、もみもみと俺の息子を撫で回す。
ついつい、内股になって閉じてしまう両足を、立夏の足が股の間に入ってきて阻止される。
女の子で手慣れているのか、キスも胸を撫でる手つきもスムーズだ。でも、下の方はちょっと戸惑っているようだった。それがなんだか嬉しい。俺が初めてなんだって気持ちになる。
「立夏、俺のお尻の穴、ほぐして?」
「どこでそんな言葉覚えたんだよ!」
「ひゃぁぁぁぁ。」
へ、変な声出た‼︎でも、いきなりだったから。いきなり指が入ってきたから、びっくりした。でも、なんか上手い。
「男とした?」
「ちょっとだけな。」
初めてと思ったのに、初めてではなかったらしい。泣きそうだ。
「裏切り者‼︎」
「いざ挿れようとしたら立たなかった。皐月のことずっと考えてたし。」
「んぬぬぬぬ…。」
「安心してよ。皐月ならギンギンだからさ。」
イケメンがギンギンっていうなよ‼︎しかし、そのギンギンのエクスカリバーで俺の尻穴は貫かれ、最終的に慣れてきた立夏によって、あんあんと泣かされる俺がいた。
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