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朝チュンーーー 「はっ、デジャブ…?」 同じように迎えた朝。 ぬくぬくとベッドの中で惰眠を貪っていた俺が目を覚ますと、俺の髪をいじらしくも優しく触る立夏の姿があった。 「皐月、おはよう。」 「おは…よう。」 「今日バイトは?」 「休み。」 「そっか。残念だけど、俺は2時からバイトなんだ。取り敢えず、家に帰ろ。」 「うん。」 澄み渡る空。ちゅんちゅんと泣く雀。ホテルから出てから感じる朝日に正しく本当に、先日と同じ状況で笑ってしまった。 家について、立夏とは別れた。今日は大学もなくバイトもない。1日家でゆっくり過ごそうと計画を建てる。 それにあたり、必需品である携帯を充電器に繋げた。1日使った携帯はいつのまにか充電がなくなっており、起動するのに少し時間がかかる。 携帯が復活するのを待っている間にお風呂に入り、寝巻きに着替える。昼間に寝巻きで夜までベッドの中で過ごすのは至福の時。 そんな穏やかな時間を過ごしていると、ピロンと、携帯が鳴った。 『立夏君、また会いたいな。君の都合の良い日を教えてほしい。』 翔也さんからのメッセージだった。 そうだ…。翔也さんとのことも俺は考えないといけないんだった。いや、でもやっぱり立夏にとられるくらいなら…。 でも、翔也さんは絶対立夏を好きにならないって言ってたし。でも、立夏は可能性は0じゃないって…。 「ゔんんんんんん…。」 頭を掻き毟る。そもそも、恋ってなんだ。俺はどうやって恋をしていたんだっけ。 初のモテ期。どっちも男。それもどっちもセックスだけはしてしまった。気持ちは伴っていない。 顔が真っ青になる。 「はっ、なんてこった‼︎俺は淫乱か‼︎」 男2人を手駒にとる。それも2人とも最上級のイケメンときた。や、や、やばいっ!俺、世の中のお姉様方に殺されるかもしれない。 こんな、呑気に昼間からベッドにゴロゴロしていていいのか!俺よ‼︎今からでも筋トレを…。 いや、それよりも翔也さんに返事を打たないと…。 あがぁぁぁぁ‼︎どうすればいいんだよ‼︎ 数分、携帯をじっと見つめた後、テーブルにあった消しゴムを掴み裏表に⚫︎✖︎をペンで描いた。 「⚫︎は翔也さんに会う、✖︎は翔也さんにはもう会わない。」 そう言って消しゴムを地面に転がした。大して周りもせず、出たのは⚫︎の方だった。 神様が仰っているなら仕方ない。予定を確認してから、翔也さんにメッセージを送り返した。 『なら来週の土曜日に会おう。デート先は考えておくよ。』 なるほど、デートか。デートか‼︎ えっ、何着て行けばいいんだ?そもそも、男と2人で手繋いでうふふあははするのか? 本日2度目、頭を抱えた。考えても仕方なし。当日の俺に任せよう。 そして、俺はもう一度寝転がってベッドの中に沈んだ。

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