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またやってしまった。 視界がはっきりする中、真っ先に浮かんだのは後悔の文字。 「―――…か、」 「忘れてくれ」 名を呼ばれるよりも早く、彼の下から抜け出す。リビングへ駆け込み、荷物を掴んだところでふと視界に入る置き手紙。 過ぎる情景に一瞬だけ目を細め、玄関を出る。 「上條!」 「…っ、」 じんと熱を伝えてくるのは捕らわれた手首か。 「お前が置かれている環境がどうであろうと、俺は気にしない。聞こうとも思わない。ただ、何かあれば味方になる。そういう奴が、ここに一人は居るという事を」 覚えておいてくれ。 短い時間を共にして分かった、口数の少なく不器用な西。実はとても優しいひと。 「…朝飯、ありがとう。頂くよ」 するりと離される手のひら。その温もりに縋ってしまいたくなる自分を叱咤して、甘い記憶に背を向けた。 今日が日曜日で助かったと思う。 同じ学校だからどうこうと言う訳ではないにしろ、時間が経っていなければ多少の気まずさはある。 まあ、週が明けたところで所詮今までと同じだ。 (……本当に?) それで良いのか。 臆病な自分を変えたいと願う、その前に。 彼をもっと知りたい。仲良くなりたい。単純に求める心。 (隣の、クラス…) 階段を下りきったところで、背後のアパートを見上げる。ぎゅっと拳を握って密かに決意を固めた。

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