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「お、西じゃん!おっはよー」 新学期。隣に腰掛けた級友に笑って挨拶を返す。確か今日は昼前に解散だったはず、と思考を巡らせていると。 「なあ、そういや聞いた?」 頬杖をつく彼に首を傾げれば、やや抑えたトーンで言葉少なにこう語る。 「上條さんがやばいって」 「やばい…?」 とは。どの部類に当てはまるのだろうか。彼らが使う"やばい"には、多量の意味が含まれることを知っている。 「んん、なんかさー…やつれた?っていうか。痩せたのは確かなんだけど、逆に……こう、色気が増してる…とか」 ここに来るまでに専らの噂だったぞ、と。 何を返したかは覚えていない。ただ、すぐにでも会わなければと気が急いて仕方なかった。

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