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第7話
「ごちそうさまでした。
ユウ待っとくけんゆっくり食えよー」
「あーい。」
俺より圧倒的に多いのにも関わらず
先に食べ終わるって…
ゴリラか?ゴリラなんか?
とか思いながら箸を進めていると
「あれ?兄貴じゃないっすか!
お!神崎様もいる!
2人仲良く手繋いで食事とはラブラブっすね!」
嵐がやってきた。
コイツは、渋谷 嵐(しぶや あらし)
セイの舎弟で夕月学園1年。
聖夜に憧れるバカな不良。
名前の通り本当に嵐みたいなヤツ。
セイの事を兄貴と呼び
俺の事を何故か神崎様と呼ぶ。
知り合った時
「様ってやめて。さんにして。」
って言ったんだけどそしたら嵐に
「いや無理です!無理!
兄貴の大事な人であの有名な神崎 緋悠様ですよね?無理無理!さん付けだなんておこがましい。様呼びさせてください!お願いします!」
って言われたんだけどさ
こっちが無理だよね。
あの時は勢い凄すぎて言い返せなかったけども
やっぱり「様」呼びとかきもぉ。
訂正させよ。今こそ!
「あ、あn
「兄貴最近神崎様とはどうですか?」
聞けよ!」
おい。遮るな。
お前絶対俺に興味ねぇだろ。
様呼びするなら俺の言葉一言一句聞き逃さず聞けよ。
「あー。別れ話されてるなう
嵐、、俺どうすれば。」
そしてお前はなんでコイツに相談するわけ!?
絶対面倒くさい事になるだろ!
「え!?兄貴本当ですか?
神崎様!なんで別れるとか言うんですか!!!
別れないでください。別れる絶対ダメ。」
「なー。絶対ダメ。」
「…」
皆さんお気づきでしょうか。
嵐とセイはとても似ている事に。
どっちも話聞かない、バカ、ヤンチャ、自己中。
セイは俺バカなんだよ。俺リスペクト
嵐はセイバカなんだよ。兄貴リスペクト
とっっっても相手するのに疲れる。
もう食べ終わったし
俺だけ部屋帰っていい?
てかさ、まだ休みなのよ。今日日曜。
なんで休みの日にまで疲れないといけないんだ。
そろそろ休ませろや。
俺の心を。
「神崎様!今すぐココで
別れるを撤回してください!」
「そーだそーだ。」
まだ言ってるわーあーあーあー
聞こえなーい。撤回もしなーい。帰りたーい。
いや、待て。帰ってまた手錠で繋がれて
話し合いとかそれも面倒くさい。
俺は今癒しと身と心の休みがほしい。切実に。
ここでしれーっと気配消してフェードアウトして
杏椰の所にでも行くかなぁ。
思い経てばすぐ行動
コレ大事。
気配を消し、しれーっと気配を消…
無理だ。無理。
セイと手繋いだままだった事忘れてた。
何故こんなにしっかり繋いでいる事忘れる?
触覚ねぇのか!
いや違うそうじゃない。
たぶん俺が逃げないようにしっかり繋ぎすぎて握られすぎて、血止まって痺れてきて感覚ないんだ。
ここで俺は悟った。逃げられない事を。
ほら。面倒くさい事になった。
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