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第26話
残り6人。
次に来たのは、
「俺だ。」
「誰だよ…」
「俺。」
いや、だから…
もうええわ!
龍でーしーたー。
「なんでお前と翡翠そっち側なわけ!?」
可笑しくない?やぱ可笑しいよね?
何回も言うけど大事な事なのでもう1回
可笑しい!
「なんでって俺は葉月があたったから…」
ほお。なら杏椰と直樹と葉月さんが当たったのか。残り2枚は?
それは、コイツに聞いても無駄だろう。
さっさとこいつのターン終わらして
次のヤツに聞くか。
「龍は俺と何シたいの?」
「っ!?お前その無駄に色気撒き散らすのやめろ。変な気分になったじゃねぇか!
とりあえず1発かますしか!」
「…何言ってんのお前。」
引いたわ。
今のは自覚ありだったけど引いた。
何が1発かますしか!やねん。
するわけねぇだろ。彼女としてろ。
男に対してしても効果ないやろって思ってしてみたけども、もう絶対しない。
俺の周りのヤツってボケるやつばっかなので
自分でも俺はツッコミ厨か!と思うぐらいツッコミを入れている気がすると日頃から思っていた。だから、龍なら突っ込んでくれるだろ!と期待してたんだけどダメだった…
龍のバーカ。
「で、本当に何すんの?」
少し考える素振りを見せて龍は、
「イチャイチャしよーぜ!」
とドヤ顔で言い放った。
「は?俺とお前が?」
「そー。いつも翡翠とイチャイチャしてんじゃねぇか。あんな感じでイチャイチャしようぜ。」
…ま、まぁ。
恋人風だしいっか。
「分かった。」
言い忘れていたがセットは俺の部屋とゆう設定だ。つまり、デートと言ってもお家デートって事。
直樹まで2人でソファに座ってしていたが、
龍とは2人ともソファと机の間に移り
俺は龍の膝の上に座り、
2人でコソコソ打ち合わせして
撮影スタート。
「なあ、緋悠。」
「何?龍」
龍の両手が俺の頬に触れ、龍の顔が近づいてきて
俺のおでこと龍のおでこが合わさった。
「最初会った頃、俺の事嫌いだったんだろ?」
少し寂しそうな龍の声。
至近距離で見つめられているせいかドキドキする。
「うっ、だって…」
「分かってる。昔がどうであれ、
今は俺の事好きだよな?」
俳優仲間として「うん。好き。」
俺の頬を触っていた龍の手が離れて行き
抱きしめられ、
「知ってる。俺も緋悠の事好きだ。」
そりゃどうも。
そして、どちらからともなく
再びおでこを合わせ笑い合い
俺は龍の左頬に、龍は俺の左頬に
キスを落とし再び抱きしめあって
そのまま優しく押し倒された。
ところで、
「おっけーい!!!」と言う初音の声が聞こえ離れた。
「ドラマ思い出した!」
「私も!」
「本当に燐と灯弥のイチャイチャシーンだ!って思った!赤西くんも素敵だけどやぱり私の緋悠!最高!!!」
上から詩音さん、葉月さん、初音。
初音さーん、誰がお前のだ。
俺は俺のだから。
翡翠とも多いけど
龍ともBLドラマで共演して
恋人役をしたので、
その後の家でお家デートする
燐と灯弥を演じてみた!
今放送中だし宣伝にもいいかなって思って。
当たりだったな!
「龍おつかれ!」
「お、おう。緋悠?あの辺の顔怖くない?」
龍が言った方を見るとそれはそれは殺気立っていた。
特に、翡翠とセイと杏椰から…
見なかったことにしよう。うん。
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