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第50話
「あ、それと歌う歌は自分の一番得意な歌でお願いします。全部歌ってください!
それではスタート!」
1番が歌い始めたので
聴いているのだが、
「あ!この歌って最近人気急上昇中の歌手、HaRuの歌じゃん!俺もこれ好きだわぁ。
緋悠も知ってるか?あ、今緋悠の出てるドラマの主題歌も歌ってるしそりゃ知ってるか!もしかして会ったことある?いくら緋悠でもそれはないか、HaRuって歌手名と男ってこと以外全部非公開だから歌とる時もスタジオに行かずに正体知ってる人達だけで撮るらしいぞ!」
「…とりあえずお前黙ろうか。」
あの、、直樹さん。
1人で盛り上がっているところ悪いが、
俺歌聴いてるから採点してるから
静かにしてて…
聞いてくるのは良いんだけど
お前俺に聞いてんじゃないのかよ、
俺の答え聞く間もなく自己完結して
どんどんマシンガントーク。
おかげで出席番号1番の彼の歌が全く頭に入って来なくて採点できねぇよ。
「はーい!ありがとうございました!
次出席番号2番俺歌いまーす!」
1番の人終わっちゃったんですけど、、
もう普通にしとこう。
すまん1番の人!
2番からはちゃんとするから!
いや、俺はちゃんとしてんだよ…
直樹が…ダメだ直樹の所為だけど
そんなの1番の彼からしたら知ったこっちゃないだろうし。本当にすみませんでした。
2番はいつも以上に張り切っている藍澤だ。
あの人何故あんなにテンション高くてやる気満々なんだ…
あぁ。
奴の視線の先にはセイがいる
たぶん、セイにアピール出来ると思っているのだろう。
熱い視線を送られているセイはと言うと、
「なぁ、直樹」
「なんだ?」
「こっそりユウの写真撮ってもバレないかな?」
「おお!いいアイディアだ!
緋悠集中してるしバレねぇだろ!
俺も撮る!」
「よしなら2人で撮ろうぜー!」
「よっしゃ!」
とてつもなくアホな話を
アホな奴としている。
聞こえてるからなお前ら…
後で絶対消してやる。
とりあえず、カメラこっちに向けてないで
藍澤の歌聴いてやれ。
じゃないと後で俺に面倒事が来るだろ!
「はーい!ご清聴ありがとうございました!
じゃあ3番の人ーよろしくお願いします!」
結局藍澤が歌いきるまで
パシャパシャ俺の写真を撮っていた。
・
・
・
そこから9番まで終わり
次俺の番。
「それでは、次10番の…神崎か。
俳優だから歌どうせ下手なんでしょ?
見るからに得意じゃなさそうだし
まあ、楽しみにしとくよ。
よろしくお願いします!」
なんか…久々に藍澤に毒吐かれた気がする。
コレ絶対アレだ。
セイへのアピール失敗に終わったから
俺に八つ当たりしてるやつだ。。。
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