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第63話
セイは何かを考える素振りをし、
「わかった。」とお風呂にお湯を入れに行ってくれた。
アイツ二重人格か!?と疑ってしまうぐらい
普段バカなアイツとスイッチ入ったセイは違う。
どう違うかと言われると少し困るが、
普段デレアマがエスアマになる。
デレアマとはデレデレで甘々で、
エスアマとはSで甘々。
理解頂けるだろうか…
あとは、呼び名が普段ユウが緋悠になる。
セイは二重人格とかじゃなく、
嫉妬心や独占欲が爆発してるだけなんだろうけど、俺の全部を奪われて終わってからも
セイから一生離れられなくなってしまいそうな
感覚に陥る。
そうゆう支配力とかは、
さすがヤクザの息子と言うべきか…
今回は何で爆発したんやろうか?
「お湯入ったで。」
いろいろ考えているとセイが戻って来たので、
「ん。入ってくる。」
思考を一旦停止し、そう伝えてから俺はお風呂へと向かった。
ジャーっとシャワーの音が響く浴室。
少し熱めのそれを頭から被り髪にお湯を浸透させていく。
今日は、文化祭準備とか臨也との事とか
今のこの状況とか疲れた。
明日残りの文化祭準備して飾り付けまでやらなあかんなぁとか、撮影会の事とか、臨也の所に次はいつ行こうかなとかっていろいろ考えるんだけど
何を考えていても最終的にはこの後俺大丈夫かな?明日生きてるかな?に戻って来る。
シャンプーで頭皮のマッサージをしながら洗い、コンディショナーで髪の表面をコーティングし、洗い流して次は身体を洗おうとボディソープに手を伸ばすと、
ガラッ
…は?今開いた音した?
浴室のドアへ視線を向けると
「なんでお前まで入ってくるんや!」
そこには、、、裸のセイがいた。
「あかんの?小さい頃は一緒に入りよったし
お前の身体は誰よりも知ってるけど?」
そうじゃねぇよ。
恥ずかしいとかそうゆうんじゃなくて
今この後何をされるのかとかどうやって逃げようかって言う俺の作戦タイムなんだよ。
本人の横でゆっくり考えれるか!
「緋悠。俺が洗ってやるよ。」
セイは、気づけば俺の後ろにいて俺が手を伸ばしセイの登場で取れなかったボディソープを手に出しそう言い放ち、
「ひゃっ!や、ゃめ!」
俺の背中にセイの手が触れた。
なんの羞恥ぷれいだよ!
自分で洗えるわ。むしろ自分で洗いたい。
「やめろって?それは無理やなぁ。
お前は俺のって何回言わせるんや?
他のヤツの臭いつけて帰ってきやがって
俺の手でお前を俺の匂いにせなあかんし、
ほんまに緋悠のさっきの説明があっとんか
お前の身体に聞かなあかんやろ。」
「っ!!」
あぁ。諦めた。
セイのこの狂気じみた独占欲に執着心に
鼓動が高鳴った気がした。
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