「お客さん皆帰ってしまった…」 「大丈夫だよ！鬼頭くん！」 「俺が歌ったけんか？」 「違うよ！皆ちょっと調子悪かったんだよ！」 「そうなんかぁ。どうすっかなぁ」 「神崎くんここにいないし俺が何とかしてみせるよ！」 「ユウなぁ…ユウの方はどうなんやろうな。」 「きっとお客さんいっぱいだよ！ そうだ！お客さん神崎くんにこっちに流してもらえばいんだよ！」 「あっ！ええ考えやな！ ならここで待っとけばいけるな！」 「馬鹿じゃねぇの。」 「「っ！？神崎 緋悠！」」 いや、なんで2人揃ってフルネームで呼ぶんや。 びっくりしすぎやろ。 「なんかいろいろ聞こえたけどその前に そのお客さんが帰りよる時から そんな感じらしいけどお客さんのケアは？」 「お客さんのケア？ そんなんより俺の方が傷ついたわ！」 「そうだよ！お客さんのケアより 鬼頭くんのケアの方が大切でしょ！」 なんでだよ。 学園祭って言ってもタダじゃないんや。 今日は学園内やけんええけど これが明日の一般公開だったらと思うとゾッとする。 学園の問題になって 杏椰とかにまで迷惑をかけることになるから。 「直樹とかほかのクラスメイトは お客さんに謝罪したり気分悪い人に付き添ったりしてたらしいけど、お前らは？」 「なんで？俺のが傷ついとんぞ！」 「傷ついた鬼頭くんに俺が付き添ってたけど？」 「って言いよるけど嵐と直樹は どう思う？」 確かにセイも傷ついたかもしれんけど そうじゃないんや… 話通じないんですけど。 何があかんのか分かってない2人にこのまま話しても仕方ないので嵐と直樹に話を振る。 「そーやなぁ。 まずさ、俺らのクラスの出し物に来てくれて それでこっちの所為でって言ったらアレやけど 気分悪くなって帰るのに聖夜は無自覚やからしょうがないとして藍澤は分かっとるはずやし文化祭実行委員やろ？ 緋悠がおらんのやから藍澤がクラスの代表なのに鬼頭くん！鬼頭くん！ってなんか違うと思う。 クラスメイトの、聖夜のケアは後からでも出来るけど お客さんのケアはそん時しか出来んのや。 俺も聖夜止めれんかったから責めれんけど…」 そうやなぁ。直樹分かっとるやん。 「俺も今回は兄貴達が悪いと思うっす！ それにさっきの話を聞きましたけど、 後の呼び込みも緋悠様任せですよね？ 俺今日ずっと緋悠様撮影会でお手伝いしてますけどアンタらに言われる前から緋悠様は自分のクラスの出し物撮影会に来てくれた人に勧めてますよ。 きっと、その帰ったお客の中には撮影会来てから行った人もいると思いますよ。」 何故この2人が分かっていて セイと藍澤が分からないのか… セイは我の事しか考えてなくて 藍澤は下心しかないんだろう。 嵐と直樹の言い分を聞き 2人は顔を歪めていた。 「そっか。そうやな。」と呟いたセイ 「鬼頭くんの事しか考えてなかった」 と言った藍澤 分かっていただけて何よりです。 「あっ！緋悠様！時間！時間やばいっす！」 「えっ？…あ。」 時計を見ると時間が迫っている 俺の休憩…嵐との鬼ごっことセイ達への説教で 終わったんですけど。 「あと任せた！俺戻るわ！」 そう言い体育館へ嵐と向かった。