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第75話

「今日は一般公開やから 昨日よりたくさん来ると思う。 なので昨日は1人だいたい10秒ぐらいだったけど今日は5秒で交代にする。 今日はサイン無しで撮影だけ。渋谷がカメラマンでだいたい1人3枚ずつ撮るってさ。 休憩は取れそうなタイミングで今日は15分取る予定やから。 おーけー?」 「おーけー。」 本音を言えば休憩の時間も撮影に当てて欲しいけど、ね。 「そうだ!今日一応伊吹とお前専属カメラマンの奴が撮影会参加しに来るらしい。」 って事は… 伊吹と初音来るのか! 参加する?見に来るじゃなくて? 「それって…伊吹と初音は客側って事?」 「そー。なんかお前と写真撮りたいらしいよ 俺も撮りたいのに伊吹の野郎…」 杏椰の拳にどんどん力が入っていくのが見て分かる。この従兄弟は… 「あ、後で撮ってやるから落ち着け。」 いつもなら絶対やらんけどね! せっかくの文化祭やし… 「まじで!?やった! ついでにサインとコスプレなんかもしてほしい♡」 機嫌治るのも早いわ! と言うかコスプレ!?は? ちょっと優しくするとすぐ調子に乗りやがって… そうこうしているうちに時間が来て 各自持ち場についた。 そして、夕月祭スタートの放送が鳴り門が開き 一般の人達が流れ込んできて 一人一人にどんなポーズで撮りたいかとか 何設定で撮りたいか等を聞き 出来るだけ要望に応えていく。 そうこうしていると、1人目の知り合いが来た。 「よぉ!緋悠!」 「うっわ?龍?」 「そーそー!」 1人目の知り合いは龍でした。 変装、マスクしかしてないんだけどこの人… 大丈夫か? まんま龍じゃん。 「それ変装になってんの?」 「おう!結構バレねぇぞ! 緋悠はこれだと絶対騒がれるだろうけど… あれもこれもするよりシンプルな方が何気にバレねぇし、やる方も楽。」 「なるほど。 で、撮影どうする? 設定とかポーズとか」 「早急だな…」 巻いていかないと時間無いんだよ! 「はやくしろ!」 一瞬だけ考える素振りをした龍は、 「ならドラマのあの2人燐と灯弥の隠れデート中で。」 「分かった。嵐ー!」 カメラセットに立ち 龍の言う通りに隠れデート中で撮り、 3枚全部気に入ったらしく全部買ってった 龍でした。 そして2人目の知り合いが来た。 「緋悠!ひ!ゆ!う!会いたかったぁ!!!」 「うっ!俺も会いたかった!翡翠!」 会ってスグと言うか自分の番になってスグ 突進して来た彼はきっと前世はイノシシだったのであろう。熱烈すぎるハグを頂き、頬にちゅっちゅと… 「翡翠どんな感じで撮りたい?」 スルーします。 ここで何か反応してみろ撮影会どころじゃなくなる。 好きにさせとけばヤンデレ王子は降臨しない。 「恋人でーえっとー如何にも今からヤります! 的な絵がほしいなぁー!」 カレガナニユッテンノカワカラン。 これもスルーでおーけい?おーけい!!! 「はーい恋人デート風でー」 「はっ?緋悠?」 「嵐ーよろしくー」 「はーい!」 「いや!だから緋悠!ヤります的な!」 するわけねぇーだろ! 時間ないの!!!何回言わすの! 流石プロな彼は文句言いながらも シャッターを切られるタイミングで自分の最高の顔を作り見事にデート中っぽい写真が撮れ ニヤニヤしながら全て買っていきました。

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