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第76話

次に来たのは… 「…うわ。出た。」 思わず顔を見てため息がこぼれる。 「うわ。とは何よ!失礼ね! でも私にじゃなくて伊吹に出たのね?ね? 分かるわぁ!」 いや。おめぇ見て出たんだよ。。 初音さんよ… 伊吹はと言うと周りを見渡し ブツブツと何か唱えている。 ぶっちゃけ言うととても怖い。 来たのは 伊吹と初音でした。 「緋悠。」 「は、はい!」 声が裏返ってしまった… さっきまでブツブツと何かを唱えていた 伊吹が俺の目の前に。 その目は光の所為か実際にそうなのか 分からないけど、若干据わっているようにも見える。 何を言われるのか待っていると 「ここは衣装持ち込みありなのか?」 「は?(衣装持ち込み?)あ、いや着替える時間とかないから無しだけど?」 そう俺が言った瞬間伊吹は 「え…」と呟き膝をつき項垂れてしまった。 …いやいやいやいや え?なんやねん! 伊吹の奇行にこっちが「え…」なんですけど。 「アンタ何してんの。 緋悠ごめんね?なんで私が謝ってんのか謎だけど…なんか、伊吹緋悠とコス写真撮りたかったらしくて… 私も可愛い服着た緋悠撮りたくて…」 いや、知らねぇよ! なんならこんなとこで言わんでもいつでも言ってくれたら撮るわ! まあ、後ろまだまだいるから 時間押してるからそろそろ撮らなきゃまずいので、、、 「とりあえず、伊吹立てれ。 はい2人とも横に来る 嵐ー!よろしく! はいチーズ!」 放心状態の2人を写真を選ぶところまで引き摺る。 そして、選んでる2人に 「伊吹?初音? 今日はありがと。また今度コス写真撮るから 伊吹は好きなの選んどいて! 初音は可愛く撮って! 2人とも大好きだよ。 じゃ、じゃあ後ろ待ってるからまた!」 うわっとか言ったけど 本当は2人が来てくれて嬉しかった。 他の人は親とか見に来るけど、 俺に親はいないから。 親代わりのような大人が来てくれて 嬉しかったんだ。 時間ないから流れ作業みたいにしちゃったけど 普段は言わない「大好き」って言葉を 今このタイミングに言いたくなった。 俺からの大好きがちゃんと聞こえていたのか 2人は、、、 「緋悠!俺もお前のこと大好きだぞー!」とこの後ろにまだまだ並んでる所で叫んでいる伊吹と、 「緋悠ー!私の緋悠ー! 私は緋悠の事愛してるわー!」と叫んでいる初音。 あ、待って… これめっちゃ恥ずかし嬉しい 「もっ、もういいから はよ帰れー!」 はい!つぎいこ! はやくつぎいこ! いつ大切な人と離れ離れになってしまうか分からない。もしかしたら、急な事故で明日会えなくなってしまうかもしれない。急な病気で一生会えなくなってしまうかもしれない。 だからこそ、大切な人には思った時に伝えたいって思う。

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