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第83話

「はっんぁ、あ、ぃざわ!」 「んー?」 「もっ、やぁ!」 「無理」 いや、なんで!? ついに彼が満足する前に 俺の腰が抜け座りこんでしまった 「はっんっお、まえ…!」 なんかデジャブ。 つい数時間前はキスしてセイと直樹を見上げていたのに今は藍澤を見上げている。 目が合うと 藍澤の瞳の奥に炎が揺らめいているのを 見つけてしまった。 あ、やばい! って思った時には、 「んゃ…も、むぅり!」 藍澤の顔面が近づき逃げようとしたけど腰が抜けた俺が逃げれる訳もなく唇が再び重なった。 …コイツなんなの? まさかとは思うけど嫌いな俺に欲情でもした? それ絶対勘違いや! お前が好きなんはセイやろ! これでセイとの間接キスがまたしたくなって とか言われても信じれん。 だって、さっきあった目には よくセイが俺に向ける欲に染まった目をしていたから。 あれから更に激しく 藍澤が俺の唾液を奪い藍澤の唾液を与えられ… それはもう濃厚すぎるキスをして 「あぃ、ざンあ…」 俺が名前を呼んだことでやっと離れた。 「神崎。」 「はっはぁ…何?」 必死に息を整えていると 「エロすぎる!」 「…はぁ?」 「その乱れた呼吸も乱れた服も涙目なのも真っ赤な顔もいつもの何倍もの色気もなにもかも、エロい!!!」 そんな興奮した気に言われても困るんですけど。反応に。 普段からエロいだの色気がやばいだの言われてもぶっちゃけ分からんし、 それがキスしたことにより何倍も色気が増してエロい!とか言われても尚更分からん。 それよりも俺には気になることがある。 1つは今のこの体勢。 いつの間にか藍澤と向かい合うように藍澤の上に座っている。 もう1つは… 「なんか当たってるんですけど。」 「あーエロい神崎見てたら勃った。」 いやいやそんないつもより少し赤くなった顔で 俺の両頬に手を添え目線を合わせ めっちゃ幸せそうな顔で言われても… ん?幸せそうな顔? 「あのさ、なんでそんな幸せそうな顔してんの? 俺キスってちゅって感じだと思ってたのに まさかの舌入れられるし、お前の目セイにそっくりすぎてびっくりしたし、 セイとの間接キスがしたかったにしては激しかったなって思って… 」 顔は動かせないから視線だけ藍澤から逸らす 「幸せそうな顔とかしてないし、 どうせキスするならディープした方がイイと思っただけ。」 お前めっちゃニヤニヤしてるけど その顔で… とは思ったもののこれ以上はお互いに 突っ込まない方が良いと判断した。 藍澤が「俺のせいで襲われたら後味悪いので 仕方なく部屋に送ってってあげます」と言ってきたので、お言葉に甘え部屋まで送っていただき俺の高校2年生の文化祭は幕を閉じた。 部屋に帰ってから 俺の顔を見て 「あの券で藍澤に何されたんやー!」と うるさすぎるセイをなんとか鎮め(不服そうな顔してた) 眠りの世界へ旅立った。 来年の文化祭は絶対仕事入れてもらおう。と心に決めて。

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