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第一章・4
(パンツくらい、穿いてほしい……)
仕方なく、千尋はリビングの真ん中にわざわざ目立つようにトランクスを置いてバスルームへ入った。
穿かないと言うのなら、自分が弦の姿が見えない場所へ行くしかない。
風呂から上がるころには穿いていてくれますように、と祈った。
これまでの経験からでは、確率は二割程度なのだが。
でも、これくらい我慢なのかな、と思う。
パンツは穿いてほしいところだが、大好きな弦と一緒に過ごせるのだ。
少々のことは我慢だ。
千尋は気を取り直して、風呂から上がった。
弦は、やはり全裸のままだった。
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