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第一章・11
黄色と赤のチェック柄のハンカチに包んである、小さな弁当箱を持ったいかつい姿。
弦という人間を知る者はみなぎょっとしたようだったが、彼にかわいい後輩がいることもまたよく知られていることだったので、次の瞬間には納得していた。
あれは、河島の弁当箱だ。
後輩ではなく、恋人だろう、という冷やかし声をよく耳にする。
確かに、女子以上にかわいいと評判の顔立ちとその体つき。
それはいじめの対象になっているようだったが、今は大丈夫だろうか。
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