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第一章・14
千尋の髪型が変わっている!
柔らかな肩までの長い髪を、左右の側頭部で結んだその姿。
(ツッ、ツインテール!)
固まったまま動けない弦に気づいた千尋は、笑いながら髪を結ったリボンをほどいた。
「もう、やだな。女の子が、ちょっとふざけてですね」
先程、髪を切った坂井を鼻で笑ったが撤回だ。
髪型、侮りがたし!
ツインテールの千尋は……千尋は……、男であるにもかかわらず可愛かったのだ!
「くッ!」
「先輩!?」
手にした弁当箱を千尋に押し付け、弦は逃げるようにその場を後にした。
次の休み時間に千尋が弁当箱を持ってきてなにやら説明していたが、よく覚えていない。
ツインテールのインパクトは、それほど凄まじかった。
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