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第一章・15

「弦先輩! お風呂から上がったらパンツくらい……あれ?」  風呂上りの弦を見て千尋は目をぱちくりさせた。  弦が、ちゃんとトランクスを穿いているのだ。  今日に限ってどうしたんだろうと見ていると、バツが悪そうに眼を逸らす弦がそこにいる。 「早く入れ。湯がぬるくなるぞ」 「あ、はい」  風呂場へと消えた千尋を確かめ、弦は大きなため息をついた。  どうしても、学校で見たツインテールの千尋の姿が頭から離れないのだ。  そして、あの顔で全裸など見られていると思うと。 (恥ずかしくてたまらん!)  その日から、弦は風呂上りにちゃんとパンツを穿くようになった。

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