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第二章・2
「フッ、くだらん」
「そんなこと言わないでください。僕のクラスでは、迷路をやるんですよ」
教室内を段ボールの壁で仕切って迷路を作り、中に入って遊んでもらおうという千尋のクラスの企画。
男子は壁を作る大仕事を、そして女子は参加者へのプレゼントとしてビーズ細工のストラップをせっせとこしらえているという。
「その中に、赤い小鳥のストラップがあって、それがすっごくかわいいんです!」
要するに、弦に客としてそのストラップをゲットしてもらい、後で自分に譲ってほしいというわけだ。
お祭り騒ぎの最中は屋上でのんびり昼寝でもしていようと考えていた弦にとって、ずいぶん面倒くさい宿題だ。
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