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第二章・14

 乗り出してリモコンに手を伸ばす千尋。  それを遠ざけようと躍起になる弦。  もみ合っているうちバランスを崩した千尋が、弦の胸の中に倒れこんできた。 「……」  弦が、固まったように動かなくなった。  息を詰めている先輩の心音が、ひどく大きく聞こえてくる。  どうしたんだろう、先輩。  でも、弦先輩の胸に抱かれるなんて久しぶり。  そんな甘酸っぱい思いが、千尋の胸に広がった。

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