37 / 239

第二章・22

「先輩、キスして~ッ♪」  身をくねらせながら迫ってくる姿は、異様な迫力さえかもしている。  不意を突かれた弦は、男子生徒にすがりつかれてしまった。 「やッ、やめろ! 離せ。離さんか!」 「先輩、好きスキ~!」  タコのように尖らせた唇が、顔面に近づいてくる。 「やめんかぁー!」  足をもつれさせながら、弦は必死で男子生徒から逃れ再び通路へと戻った。  なんという恐るべき仕掛けだ!

ともだちにシェアしよう!