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第二章・24
「弦先輩!?」
「千尋!」
ようやく、そこに千尋の姿が。
しかし、そこまで到達するまでに、弦はあまりにも惨いものを見過ぎていた。
妖怪変化のような男子生徒にキスを迫られ、身も心も疲弊していた。
まさに、掃き溜めに鶴。
千尋のメイド服姿は、三千里歩いて探し当てた楽園の天使のように清らかだった。
「会いたかったぞ、千尋!」
ひし、と抱きしめてきた弦に、千尋は飛び上がるほど驚いた。
離れなきゃ。
ダメです、先輩。
僕たち、男同士なんですよ!?
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