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第二章・31

 うじうじ悩んでいるのは性に合わない。  試してみよう、千尋を。  もし、ダメなら。  拒まれたなら、きっぱり諦めるつもりだ。  弦の顔が、わずかに千尋に近づいた。  先輩?  言葉にしようと思っても、声が出ない。  体が、動かない。  少しずつ、だがますます接近してくる弦先輩の顔。  いや、顔というより唇。  

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