47 / 239
第二章・32
思わず、目を閉じた。
同時に、唇に温かな感触が。
そっと触れたそれは、しばらく後、やはり静かに離れていった。
キス、しちゃった。
弦先輩と、キスしちゃった。
心臓が、飛び出しそうに高鳴っている。
頬が、熱をもったように火照っている。
わずかな背徳感を大きく上回り、驚きと喜びの方が勝っていた。
離れていった弦の顔は穏やかだった。
今まで見た表情の中で、どれよりも優しかった。
ともだちにシェアしよう!
fujossyは18歳以上の方を対象とした、無料のBL作品投稿サイトです。
47 / 239
ともだちにシェアしよう!