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第二章・33

「腹が減ったな。飯にするか」 「え、あ、はい……」  食事をしながらも、千尋の心は夢見心地だった。  ぽぅっとした千尋の顔に、嫌悪の色はまるで見られない。  これは、脈ありということだな。  弦は心の中で確かな手ごたえを感じていた。  これからの生活、この後どうしようなどとは考えてはいなかった。  今は、千尋の気持ちが確かめられただけで充分だ。  だがしかし。 (キスの後に幕の内弁当はなかろう!)  次はもっとロマンチックなシチュエーションを考えねば、と思いながらも、弦もまた幸せだった。

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