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第三章・3

「弦先輩、お弁当持ちましたか?」 「ああ」  すでに学校は夏休みに入っているが、弦は毎日のように外へ出かけていた。  行き先は、電車で4つ先の青藍(せいらん)高等学校。  二人の通う鳴矢(なるや)高等学校の体育教師の母校で、柔道強豪校だ。  体育の授業で弦の格闘センスを見出している体育教師としては、進路を就職と希望しているこの生徒が惜しくてたまらない。  ぜひ進学して、柔道の階段を駆け上がって欲しいとひそかに期待していた。  国体どころか、オリンピックも夢じゃない。

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