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第三章・4
弦もまた、柔道という格闘技に興味を持っていた。
軽量級の選手が、やすやすと重量級の相手を投げ飛ばすこともできる面白さ。
もちろん本気は出さずに、通常の身体能力のみで相手をしている。
それでも、強豪校の選手に負けず劣らずの動きを持つ弦だ。
またとない組み手のパートナーとして、重宝がられていた。
底力が付くのは大歓迎なので、弦も真面目に練習に励む。
ご褒美として、実家が農業を営んでいる体育教師から秋には新米をもらうことになっているのも魅力だ。
時に投げられたり、押さえ込まれたりすることさえ愉快だった。
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