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第四章・もしかして客観的に振り返ると、今俺はとんでもなくいやらしいことをしているのでは!?
「技あり!」
体育教師の張りのある声が格技場に響く。
その声に、弦は体からふぅと力を抜いた。
「合わせて一本!」
がっちり決められていた関節が自由になると、腕に痺れがやってきた。
襟を正す青藍(せいらん)高校柔道部の主将・高橋(たかはし)。
一瞬目が合ったが、すぐに開始線に戻ってゆく。
そこには自分の強さを誇示する色も、弦をあざける態度もない。
さすが心技体兼ねそろえた主将だけのことはある、と、弦は負けを潔く認めた。
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