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第四章・8

 これは一体……。  翌日、弦に渡された服を着た千尋は、ぶかぶかの袖口を握り締めて先輩につめよった。 「弦先輩!? まさかお手伝いって!」 「そうだ、千尋。今日一日、みっちり俺の稽古台になってもらうぞ!」  ああ、と千尋は誰から借りてきたやら知らぬ汗臭い柔道着の裾を引っ張った。  柔道柔道、毎日柔道。そして休みの日まで柔道!   こんなことなら昨日の晩、遊園地かプールに連れて行ってほしいとハッキリ言えばよかった!  しかし、弦は柔軟などしながらすっかりやる気満々だ。  しかたないな、とあきらめた千尋は、ちょこんと正座しておじぎした。 「よろしくお願いします」 「こちらこそ、よろしく頼む」

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