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第四章・22
「こっちを見ろ、千尋」
「でも」
「いいから」
「やだ。恥ずかしい」
そんなやりとりも無性にかわいく、弦は手のひらで千尋の脚を優しくさすった。
ふ、と緊張の解ける感触が。
そこで弦は、ゆっくりと腰を進めた。
「んッ。ぅんんッ」
千尋の声に、まだ苦しげな色はない。
まずは先端だけ浅く挿れ、すぐに抜く。
そんなことを繰り返した。
それでも充分感じてくるらしく、先ほどまで背けていた千尋の顔はいつしかこちらを伺うように向いている。
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