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第四章・27

「抜くぞ」  挿れたときと同じように、弦は用心しながら千尋の体内から去っていった。  後膣から、白い精液が流れ出す。  赤いものは混じっていないか。  千尋の体を、傷つけてはいないか。  そんな気遣いが、千尋にはたまらなく嬉しかった。  余韻のさざなみに震える千尋を見る瞳の優しさが、たまらなく嬉しかった。 「先輩、ごめんなさい」 「どうした」 「僕ばっかり気持ちよくなっちゃって。僕、何度も出しちゃったのに、先輩は一回しか」

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