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第四章・30
以前高橋に、腕十字固をかけられたことがトラウマとなっているのでは、と田中は踏んでいた。
寝技から展開する関節技を警戒して、弦の動きが鈍ってしまうのでは、という考えだ。
そういうわけではない、と弦は言う。
しかしながら、では一体全体なぜ急に寝技が苦手になったのか、と問われると返答に困る。
(千尋と寝たことを思い出すから、などと絶対に言えん!)
こうしてしばらくの間、海江田に勝つには寝技に持ち込むといい、との必勝法が通用することとなった。
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