125 / 239

第五章・19

 軋むベッドの音。  肌のぶつかり合う乾いた音。  そして、結合部が擦れるたびにあがる濡れた音。  性交のもたらす卑猥な音が、部屋中に響く。  千尋の心を、かき乱していく。 「んッ。うッ、んッ、んぅう」  これ以上音をたてないようにと、抑えた千尋の嬌声が弦の耳にかすかに聞こえてくる。  はッ、はッ、と荒げる自分の息より小さく聞こえる千尋の声。 「どうした。もっと声を出してもいいんだぞ」 「やッ! だめッ! んんぅ、んうぅう!」  必死で我慢し髪を振り乱す姿が、さらに弦の昂ぶりに油を注ぐ。  体内の肉茎が、より大きくなった心地を、千尋は感じた。

ともだちにシェアしよう!