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第五章・19
軋むベッドの音。
肌のぶつかり合う乾いた音。
そして、結合部が擦れるたびにあがる濡れた音。
性交のもたらす卑猥な音が、部屋中に響く。
千尋の心を、かき乱していく。
「んッ。うッ、んッ、んぅう」
これ以上音をたてないようにと、抑えた千尋の嬌声が弦の耳にかすかに聞こえてくる。
はッ、はッ、と荒げる自分の息より小さく聞こえる千尋の声。
「どうした。もっと声を出してもいいんだぞ」
「やッ! だめッ! んんぅ、んうぅう!」
必死で我慢し髪を振り乱す姿が、さらに弦の昂ぶりに油を注ぐ。
体内の肉茎が、より大きくなった心地を、千尋は感じた。
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