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第五章・23

 髪を振り乱し、千尋は悶えた。  いや。恥ずかしい。  こんな声、聞かせられない。  それに、お隣に気付かれちゃうかも!  そう思った瞬間、千尋は再び吐き出してしまった。  白い粘りのある体液が、糸を引いてシーツに落ちてゆく。 「ぃやあ。先輩、先輩、もうダメ。赦して」  弦の動きが止まる。  今度こそ。  だが、やはり来ない。  弦の情欲の証は、注がれない。

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