141 / 239

第六章・4

「リーダーになる資質は充分にあると思うんです。その力を引き出せないでいることが、惜しくて」 「う~ん」  田中も、腕組みをして考え込んだ。  確かに海江田は、他の生徒と比べ抜きんでて存在感がある。  カリスマ性、と言ってもいい。  夏休み、強豪校の中に混ぜて柔道の稽古をやらせたが、それでも彼はいい意味で、ひときわ目立って見えた。

ともだちにシェアしよう!