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第六章・19
紅組、白組とも一進一退の攻防を繰り広げる体育祭は、大詰めを迎えていた。
紅組がやや優勢で、最終種目の対抗リレーを前に、白組は少しでも食い下がっておきたいところだ。
そんな中、弦の参加する『借り人競走』は行われた。
ちらり、と自分と対決する走者を伺う。
(陸上部の今川! サッカー部の小林! ラグビー部の加藤!)
6人中3人の紅組走者は、いずれも俊足揃いだ。
得点は、三位までしか入らない。
絶対に三位以内に入りたいところだが、この面子では結構厳しそうだ。
(いや、相手にとって不足なし!)
逆に燃えるというものだ。
棒倒しや騎馬戦並みの闘志を持って、弦はスタートラインについた。
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