164 / 239

第六章・27

「ね、先輩。せっかくだから、今ここで僕と踊ってくれませんか?」 「ぅん? むぅ、まぁ、お前がどうしてもというなら……」  自分からは言いだせない弦を可愛らしく思いながら、千尋はその手を取った。  そして。 「あ、そうだ! 先輩、せっかくだから応援団長の格好して踊ってください」 「何!?」  そう。後は学校へ返すだけの長ラン。  千尋は、あの弦の雄姿を見納めておきたかった。  それには意外な返事が戻ってきたが。

ともだちにシェアしよう!