167 / 239

第六章・30

 そっと、唇で触れ合った。  そう、そしてその愛情はさらに深いものになっている。  唇を離した後、もういちど抱き合った。  静かに被さってゆく弦を、千尋が抱き寄せるように促してくる。  二人横たわり、もう一度唇を重ねた。  互いに舌を差し出し、絡め合う。  柔らかな生き物のように、咥内で踊る。  キスをしながら体操服を上にはだけ、弦は千尋の白い胸を撫でた。  ほんの僅かに尖っている胸の飾りに指が触れると、ひくん、と喉を反らせる千尋が可愛い。  反らせた喉に唇を這わせ、舌先で何度も舐めた。

ともだちにシェアしよう!