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第六章・35
二人ひとつになって、しっかりと抱き合った。
体内で脈打つ弦を感じながら、千尋は自分から動いてみた。
内壁に当たる弦の硬いものは、逆に千尋を追いつめてゆく。
「はぁ、はぁ、あぁ……」
千尋のぎこちない動きは、何か小動物が必死の営みをしているかのような可愛さがある。
弦はにこりと微笑むと、腰を緩やかに動かした。
ゆっくりと引き抜き、またじわりと挿れる。
そのたびに千尋は震え、身悶えしてしがみついてくる。
静かな、それでいて熱い濃厚な弦の責めは、長く尾を引くような快感を千尋にもたらしてくる。
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