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第七章・6
弦の隣の席に戻ってきた坂井に贈られたプレゼントを、ちらと眺めてみる。
もこもこしたぬいぐるみやら、ちゃらちゃらしたアクセサリーやら、いかにも女子が好きそうな代物だ。
残念だが、俺はあんなものを千尋に贈りたくはない。
「ねね、海江田クンは、河島クンの誕生日どうするの? 10月でしょ?」
「なぜそれを!?」
もぅ、と坂井は、もこもこのぬいぐるみを手にして撫でた。
「前に話したじゃない。私と同じで、10月が誕生月だってこと」
「そうだったか?」
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