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第七章・9

「千尋、お前の誕生日だが」  来た、と千尋は胸をときめかせた。  ついに、弦先輩が僕の誕生日を話題に!   何か欲しいもの? なんだろう。急に言われても、思いつかないよ。 「遊園地へ一緒に行かないか」  予想外の言葉に、千尋は息をのんだ。  遊園地。  あの弦先輩が、遊園地に誘ってくれるだなんて!  眼を丸くして黙ってしまった千尋に、弦は探るように訊いた。 「イヤか?」 「え!? あ、ううん! 嬉しいです。すっごく、嬉しい!」  よかった、と弦は安堵の息をついた。 「あとは、遊園地の中の店で、何か欲しいものがあれば買ってやる」 「ありがとう、先輩!」  あぁ、なんだか夢のよう!   先輩とお出かけ。  弦先輩とデート、と千尋は9日までの残る3日をふわふわした気分で過ごしていった。

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