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第七章・16

「ね、先輩。下も……」  おとなしく体を拭かれていたはずの千尋が、やけに挑発的にパジャマのズボンを脱いでくる。 「しッ、仕方のないやつだ」  何やらいつもよりドキドキしながら、弦は千尋の下肢を丁寧に拭いた。 (いかん、ムラムラしてきた)  千尋は、熱があるのだ。  ここで押し倒すわけにはいかないのだ。  千尋の体を拭くより、理性を繋ぎ止めることの方が大変だ。  そんな弦に、千尋がこれまた妖しく囁いてきた。

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